松本駅前の商業施設「アルピコプラザ」では、5月中旬から高齢者を対象にした松本市の新型コロナウイルスワクチンの集団接種が行われており、相澤病院からも多くの医療スタッフが参加し協力にあたっています。今回は担当医師に、集団ワクチン接種の状況について話を聞きました。
医師も看護師も診療科や病棟に関わらず
多くのスタッフが積極的に参加してくれています。
医師も看護師も診療科や病棟に関わらず多くのスタッフが積極的に参加してくれています。
―松本市の集団ワクチン接種の状況はいかがですか?
5月に高齢者のワクチン接種が開始されました。7月からは16~64歳までの基礎疾患のあるワクチン接種も始まっています。
相澤病院は、5月24日からアルピコプラザでの集団ワクチン接種に協力しており、今は月・火・木曜の午後と、土曜の午前に医師2人、看護師4人の6人でチームを組んで1日約300~600名の接種を担当しています。最近は日曜の午前・午後も追加されて、そこは医師1人、看護師2人で約400名の接種を担当しています。役割としては、医師が問診、看護師がワクチンの打ち手になります。

ワクチンの接種会場で順番を待つ市民の皆さん
―実際に集団ワクチン接種に協力してみていかがですか?
平日午後で600人担当しています。今のシステムだと物理的にワクチンを打ててもスケジュール調整や、間近で接種の枠を変えることが難しいので、今後それらの問題が解消されればワクチン接種もスムーズに進むと思います。その時の状況によって接種の枠も変わるため、臨機応変にできることを協力していきます。
―集団ワクチン接種には、どんな医療スタッフが参加していますか?
相澤病院で勤務している医師や看護師が参加しています。スタッフ皆が「ワクチン接種は優先されるべきこと」という認識を持っているからなのか、診療科や病棟に関わらず、多くのスタッフが参加しています。平日は業務への支障がないように、内科、外科、救急とマンパワーのある診療科がメインで、土日は希望する人で集団ワクチン接種のシフトを組んで対応にあたっています。
患者さんに安心して受診してもらうために感染者を減らす。
集団ワクチン接種への協力は当然です。
患者さんに安心して受診してもらうために感染者を減らす。
集団ワクチン接種への協力は当然です。
―相澤病院が松本市の集団ワクチン接種に協力することになった経緯を教えてください。

ワクチン接種前の問診にあたる外科の西田医師
松本市から協力要請が来たので、病院としては地域や社会のために積極的に応じる以外にないだろうとすぐに要請に応じました。相澤病院は現にコロナ患者さんの受け入れをしていて、中等症・重症患者さんの治療にもあたっています。地域にコロナの感染者が増えれば、当然病院内の感染リスクも高くなりますし、最悪の場合、病院が機能しなくなる可能性も十分にあります。患者さんに安心して受診してもらうにはまず、感染者自体を減らすこと。病院にとっての最優先事項の1つとして、集団ワクチン接種の協力に取り組んでいます。
「コロナ収束のためにワクチン接種が重要」という共通認識を持って
病院全体でワクチン接種に取り組んでいます。
「コロナ収束のためにワクチン接種が重要」という共通認識を持って病院全体でワクチン接種に取り組んでいます。
―皆さん休日を利用して協力していますが、参加状況はいかがでしょうか?
協力的なスタッフが多いので、「参加者が少なくてシフトが埋まらない」なんてことはありません。特に平日は、参加スタッフの業務は同じ診療科や病棟のスタッフたちがフォローしてくれているので、チーム全体で集団ワクチン接種の協力にあたっているような感じですね。各部署の関係性がいいのもあるし、スタッフが皆、コロナ収束のためにワクチン接種が重要だという共通認識を持っているから、病院全体で協力体制を築けているんだと思います。

ワクチン接種をおこなう看護師
コロナ終息のためにワクチン接種が必要なことは明らかなので、病院としては自分たちのできる限りのことをする、ただそれだけですね。
ワクチンを打つことで重症化のリスクを下げることは明らか。
まず、ワクチン接種をしないことには何も始まりません。
ワクチンを打つことで重症化のリスクを下げることは明らか。
まず、ワクチン接種をしないことには何も始まりません。
―改めてワクチン接種の重要性について教えてください。
ワクチンを打てば感染率は下がると言われていますが、変異株に対してはどのくらい効果があるのかは、まだはっきりと分かっていません。ただ、ワクチンを打つことで重症化のリスクを下げることは明らかになっています。変異株によって色々と違いはありますが、まずワクチン接種をしないことには何も始まりません。
病院としてはワクチン接種がコロナ収束のために必要なのは明らかで、そのために自分たちができる限りのことをする、ただそれだけですね。

ワクチン接種時の対象者と看護師。