相澤病院では、脳卒中後の痙縮(けいしゅく)や脳性麻痺、頸髄損傷などの神経疾患による筋緊張の異常に対し、「ボツリヌス毒素注射」を用いた治療を行っています。

ボツリヌス毒素とは?

ボツリヌス毒素は、筋肉の過剰な収縮を一時的に抑える作用があり、適切な量を筋肉に注射することで、筋の緊張やけいれんを和らげ、より自然な肢位や動作を促すことができます。リハビリテーション医療において、非常に効果的な治療のひとつです。

治療の対象となる症状

  • 脳卒中後の腕や脚の突っ張り(痙縮)
  • 手足がこわばって動かしにくい
  • 筋緊張によりリハビリが進みにくい
  • 足が突っ張って歩きづらい など

治療の流れ

診察・評価

リハビリテーション専門医が、現在の症状・筋緊張の程度・ADL(生活動作)への影響を丁寧に評価します。

注射計画の立案

超音波(エコー)や電気刺激装置を用いて、過剰に緊張している筋肉を特定し、注射する部位と量を決定します。

注射の実施

所要時間は20〜30分程度です。

リハビリテーションの実施

注射後は、より効果を引き出すため、機能訓練や装具療法を併用していきます。

効果と持続期間

効果は数日から1週間程度で現れ、1ヶ月ほどで最大となり、約3か月持続します。必要に応じて、定期的な注射を継続することが可能です。

保険適用について

本治療は、痙縮などの適応疾患がある場合には健康保険が適用されます。詳細は診察時にご説明いたします。

ご相談・ご予約について

ご興味のある方、治療をご希望の方は、リハビリテーション科外来にてご相談ください。かかりつけ医からの紹介状があるとスムーズです。

リハビリテーション科