相澤病院薬剤センター 中村 久美
なぜ相澤病院を選んだのですか?
私は大学卒業後、東京葛飾区の病院で働いていましたが、母親が「東京で自由にしていたら結婚もしないだろうし、心配だから・・・」と言うので松本へ戻り、結婚までの間という感じで相澤病院に入職しました。しかし、腰掛け程度にしか考えていなかった相澤勤務生活は、すでに25年を超えています。何故こんなにも長く勤められたのか振り返ってみました。
相澤病院で働き続けて来たのには、理由がありますか?
相澤病院での私の教育担当だった方の姿が今の私の根底にあるように思います。その先輩は赤ちゃんを産んでいくらかの産休後、職場復帰し、薬剤部のリーダーとして活き活きと働き、かつ、お料理上手な家庭人として、美味しい料理の作り方、お子さんとの楽しい生活の話を沢山してくれました。更に私に、医薬品情報に関わる仕事の面白さを教えてくれた大先輩もいて、結婚して子供が出来ても薬剤師という仕事を大切にしたいという想いが私の中でどんどん強くなりました。実際、産前休暇も1週間しかとらず、育児休暇も2ヶ月間のみと育児休暇の権利をほとんど返上して、私は職場復帰しました。かと言って相澤病院は育休も取れないのか?というわけではありません。今のスタッフは、産休前にも有休をつけてしっかりお休み出来ていますし、1年の育休後もお子さんの保育園のタイミング等あわせ、育児休暇を延長するスタッフもいますので、ご安心下さい。
産後休暇中、昼間から赤ちゃんと添い寝している自分が「みんなは今、働いているのに・・・」という罪悪感しか無かった私が、特殊なのでしょう。薬剤師という職業にハマったのは、先に記載したように医薬品情報に関わる仕事の面白さからですが、『医薬品情報を伝えるにはどうすべきか?(医療スタッフに提供すべき情報を獲得するには、病態や医療経営の知識が背景となりますし、伝達ツールの1つとしてパソコンの技能も必須です。)』を追求し続けることで、必要と考える様々な認定資格を取得してきました。
・医療薬学専門薬剤師:日本医療薬学会
・がん薬物療法専門薬剤師:日本病院薬剤師会
・がん薬物療法認定薬剤師:日本病院薬剤師会
・臨床栄養代謝がん専門療法士:日本臨床栄養代謝学会
・NST専門療法士:日本臨床栄養代謝学会
・糖尿病療養指導士:日本糖尿病療養指導士認定機構
・医療経営士3級:日本医療経営実践協会
・パソコンインストラクター1級:全日本情報学習振興協会
こうした認定資格を取得するにも、相澤病院ではバックアップ体制が整っています。
また海外での学会発表にも取り組むことが出来たことは、私の財産と思っています。
2017 EUROPEAN SOCIETY FOR MEDICAL ONCOLOGY AsiaではBEST POSTER
にも選ばれましたが、相澤病院の仲間がいなければ成し得なかったことです。
・2015 American Society Clinical Oncology Annual Meeting
「Phase II Study of Preventive Effect of Topical Menthol for Chemotherapy-Induced Peripheral Neurotoxicity」
・2017 EUROPEAN SOCIETY FOR MEDICAL ONCOLOGY Asia
「Is Highly Concentrated Potassium Preparation Necessary for Cisplatin Administration?」
シカゴにて
シンガポールにて
お料理上手なことでも有名ですね。
そんな仕事も家事も子育てもバリバリこなす中村さんの今後の目標について教えて下さい。
子育ての方は、はっきりいって、よい母親ではなかったと思います。
託児所、保育園、学童保育のお迎えもいつも一番最後でしたし、参観日もほとんど行っていません。がん薬物療法認定薬剤師取得時には3ヶ月の単身赴任もしました。
「お母さんは、僕と仕事と、どっちが大事?」なんてテレビドラマに出てきそうなセリフも受けました。そんな息子ももう大学生です。薬剤師という仕事の面白さを何かの折には話し、息子には薬剤師になって欲しいという私の願いは虚しく、彼は医学を学んでいます。息子が医療の世界で活動する時、少しでも“何か与えられるものがある自分”でありたい!というのが、今の私の目標です。
追申)息子が高校生の時お弁当作りにハマり、大皿料理にも目覚め、フォトブックを作成。キャノンフォトブックコンテスト2019で大賞をゲットしました。