抗がん剤投与により、重得な下痢を生じた場合、腎不全、電解質異常、循環不全、重症感染症を起こして致命的となることもあるので、注意が必要です。
院外処方箋に対応する保険薬局において、がん化学療法中に下痢を訴える患者さんをフォローできるようなツールがあれば…と当院の救急外来医師にも協力いただき、有志の保険薬局薬剤師、当院薬剤師で協働して作成しました。
作成に関わったメンバー
<相澤病院>
救命救急センター:山本 基佳 医師
薬剤センター:鬼窪 利英、中村 久美
<保険薬局>
ほんじょう薬局:淺野 未代子、馬場 麻理子
ニコニコ薬局:唐澤 幸子 、窪田 靖
由比ヶ浜薬局:宮下 茂代
こちらでは、上記想いより作成したがん化学療法中の下痢フォローツールを次の通り公開しています。
緊急受診をお勧めしたほうがよい状態はどんな時か判断するフローチャート用紙
受診の必要性について判断し、さらにトレーシングレポートへつなぐ用紙
下痢の患者さんへ、どういったアドバイスをしたらよいか事例を示したもの
保険薬局薬剤師の患者さんフォローにちょっぴり役立つ情報を記載した冊子
※パスワードが必要です
あらかじめ患者さんに渡しておいて利用していただくもの
電話フォローアップ時、下痢の訴えがあった場合
- 受診判断+レポート一体型シートを使用し、必要に応じてトレーシングレポートを作成して病院に送付しましょう。
- 緊急受診判断フローで経過観察することになったら、アドバイス事例を用いて患者さんあるいはご家族にアドバイスをしましょう。
下痢特定ではなく電話フォローアップ時、会話内で下痢症状を聴き取った場合
- アドバイス事例を用いて患者さんあるいはご家族にアドバイスをしましょう。
学びに利用
- ブリストルスケールで便の性状数値化を覚えておきましょう。
- 情報集で、下痢についておさらいしておきましょう。情報集には相澤病院採用抗がん剤で、下痢を起こしやすい薬剤や下痢発現時期などをまとめた表も掲載しています。
(パスワードを設定しています。パスワードは、がん治療薬剤承認レジメンに関するお問い合わせフォームよりお尋ねください。)
患者さんフォローアップのために
- ツールが何かしら役立った場合、薬剤師間の情報共有のためにも、病院側にフィードバックしてください。当院ホームページあるいは松本薬剤師会を通じて共有を図ります。
- より良いものにして、患者さんのフォローアップに役立つようにしていけるよう、ご意見ご感想をお寄せください。