消化器内科・内視鏡科

上部・下部消化管内視鏡検査を中心に、バルーン小腸内視鏡なども併用し、全消化管の異常に対して適切な検査・治療をおこなえる体制となっています。また、消化管手術後など大腸内視鏡検査の困難が予想される患者さんや、前回検査時に痛みの強かった患者さんを対象に、CTを用いた大腸検査（CT Colonography）を導入し、低侵襲な検査の普及にも取り組んでいます。

食道・胃・大腸の良性・悪性腫瘍に対しては、内視鏡的粘膜下層剥離術（ESD）などの内視鏡治療の対象となる病変か、あるいは手術・化学療法などが必要な病変かをすみやかに診断し、週１回の他科の医師との症例検討会などを通じて緊密に連携しながら、適切な医療を提供しています。

下記の症状・異常を認めたときにはかかりつけ医に相談のうえ、消化器内科・内視鏡科を受診してください。

1.胃検診の異常や便潜血反応陽性を指摘されたとき
2.改善しない下痢・腹痛・血便・粘液便を認めたとき
3.良悪性にかかわらず胃・大腸などの腫瘍を指摘されたとき
4.消化管の外側（縦隔や腹腔内）に腫瘤を指摘されたとき

胆管結石・急性胆管炎・胆嚢炎・急性膵炎など、数多くの急性疾患に対応するとともに、胆管がん・胆のうがん・膵がんなどの悪性疾患に適切に対応するため、腹部超音波検査、CT、MRIなどに加え、逆行性膵胆管造影検査を年400件（治療が370件）、超音波内視鏡検査を用いた胆膵の検査を（腔内超音波は除く）年230件、超音波内視鏡下穿刺生検・のう胞ドレナージ・胆道ドレナージなどを年60件程度おこない、膵癌の増加に伴い検査・治療数は増加傾向です。

膵がんの早期発見は非常に大きな課題であり、相澤病院では積極的に超音波内視鏡検査などをおこない、早期発見に取り組んでいます。

下記の症状・異常を認めたときにはかかりつけ医に相談のうえ、消化器内科・内視鏡科を受診してください。

1.血液検査（肝機能、アミラーゼ等）異常や腫瘍マーカー(CEA、CA19-9)の異常を指摘されたとき
2.初めて糖尿病を指摘されたとき、または糖尿病治療中に急激な血糖コントロールの悪化を認めたとき
3.腹部エコーやCTで膵のう胞・膵腫瘤・慢性膵炎などを指摘されたとき
4.胃カメラや腹部エコーで原因のわからない心窩部痛・背部痛が続くとき
5.ご両親・御兄弟に膵癌

C型・B型を中心としたウイルス性肝炎に対する抗ウイルス治療をおこなっています。
C型肝炎に対してはインターフェロンに代わり内服薬のみで治療可能な薬剤が主流となり、ウイルスの完全な排除が可能です。 B型肝炎ではB型肝炎ウイルスを完全に排除してB型肝炎を完治させることができないため、慢性Ｂ型肝炎の患者さんや免疫力が低下しB型肝炎ウイルスが増殖しやすい状態（ステロイド剤・抗がん剤などの使用）の患者さん、これからなるB型肝炎ウイルスキャリアの患者さんに対して、インターフェロンにより免疫力を高めたり、核酸アナログ薬でウイルスの成熟を抑える治療をおこないます。

かつて脂肪肝として治療の対象とされていなかった患者さんの中に、肝がんの原因となる非アルコール性脂肪肝炎が含まれていたことが明らかになり、原発性胆汁性胆管炎・自己免疫性肝炎などとともに早期診断・早期介入を試みています。

相澤病院は長野県肝疾患診療専門医療機関に登録されており、肝臓病センターを立ち上げ、毎週月曜日・火曜日・金曜日の午前に肝疾患外来をおこなっています。

肝細胞癌に対しては腹部血管造影・肝動脈塞栓術（TACE）および局所治療としてラジオ波凝固治療（RFA）を積極的におこなっています。また、手術が必要な場合には相澤病院の肝胆膵外科と連携して、すみやかに治療をおこなえる体制を整えています。