千田 啓介(現 相澤病院 循環器内科 医長)
2009年3月 卒後臨床研修修了

私は2年間相澤病院で研修したのち、大学病院の循環器内科に入局しました。循環器内科とはいえ、大学勤務中には他病院の夜間や休日の全科当直の仕事を受けることがあります。大抵は一人当直ですので、相談できる人はなかなか近くに居らず、独力でアセスメントをせねばなりません。しかも他病院ですのでアウェー戦です。その際にはいつも、2年間の相澤病院救急外来で得た数多くの経験、具体的には聴診や触診、創の縫合、画像の読影、そして何より“ヤバそうか否かの感覚”に助けられていると実感します。自分で初療した患者さんの見立てを答え合わせする貴重な機会を積み重ねることができたのは、とても有難い経験でした。ただ、救急外来をベースに幅広い科をローテートするのが相澤病院の研修の特徴であるが故に、卒後3年目に後期専門研修に進んだ当初は、初期研修で志望科を長期間選択していた同期たちに大きく差をつけられているような気がして焦ったのも事実です。しかし、少しすればその差も(たぶん)なくなりますし、それ以上のメリットがこの最初の2年間にはあったと感じています。

御縁があり、卒後13年目の立場で再び相澤病院でお仕事をする機会を頂きました。当時の指導医の先生方や、コメディカルの方々にも「おかえり」と言って貰えたのが凄く嬉しかったです。今頑張っている研修医たちを見ても、やっぱりここで研修して良かったと改めて感じますし、今度はまた違った立場で私も一緒に成長できるように努力しようと思います。

※本原稿は2019年10月に取材