転移がない浸潤性の膀胱がんでは、膀胱全摘術が標準治療となっています。膀胱を摘除した後は、回腸導管増設、回腸利用新膀胱増設、尿管皮膚瘻増設などの尿路変更を行います。
従来の回復手術による膀胱全摘除術では出血量が多く、手術後の合併症(腸閉塞や創感染症など)も比較的多いことが問題点でした。
相澤病院では、より患者さんにやさしい治療を目指して、2024年6月から、膀胱全摘除術にも「ダヴィンチ」の適用を開始しました。11月末時点で3例を施行しています。
回腸導管のイメージ
自排尿型新膀胱のイメージ
ダヴィンチとは?
米国製の手術支援ロボット。胸部や腹部の小さな切開部から直接鉗子を操作するのではなく、術者はサージョンコンソールと呼ばれるコクピットに座って、視野の広い3次元立体画像を見ながら、ロボットアームで鉗子を操作します。正確な手の動きの再現やロボット特有の360度回転、手ブレ防止などにより、従来の腹腔鏡下手術の弱点を克服し、よりスムーズで繊細な操作が可能で、これまで以上に低侵襲で正確な治療の実現を目指すことができます。