杉井 成志(現 筑波大学人間総合科学研究科 疾患制御医学専攻 博士課程)
2011年3月 卒後臨床研修修了

私は医師10年目の脳外科医で、現在は大学院に所属して日々研究を行いながら、救急外来の当直バイトと外来業務を行っています。特に救急の当直では、相澤時代に培った経験が大きな糧になっていると毎回実感します。
さて、まずは私が初期研修先として相澤病院を選んだ理由ですが、病院を決めるにあたっては自分なりの選考基準※を設け、基準を満たす病院を10か所以上見学に行きました。いわゆる偏差値の高い研修病院も含めて検討し相当に悩みましたが、有名病院と比べても私にとっては相澤病院が印象に残っており最終的には自分の直観を信じて決めました。言語化が難しいですが、見学に行ったときに研修医がより輝いて見えたこと、病院の方針として救急診療に力を入れていることが伝わってきたこと、そして病院全体が上昇気流に包まれているような雰囲気があったこと(事実、その後相澤病院はいろいろと発展していきました)などが理由でしょうか。以下、実際に相澤病院で研修を終え、今振り返って思うことを箇条書きします。

相澤病院の良かった点・優れている点

  • 救急患者の経験に困らない
  • ERでは常に仲間(同期や先輩後輩研修医)がいる
  • いろんな経験が積め楽しかった
  • あの病院にはいろんな人がいる(いた)
  • 医師として尊敬する人が見つけられた
  • 設備投資を厭わない
  • かなり前衛的な病院、経営がすごい、どんどん成長している
  • 仕事の出来るコメディカルや事務方のスタッフがいる
  • ベッドコントロールがすごい
  • 当直弁当がおいしい
  • 救急を重視した研修プログラム、病院各所が救急を重視する姿勢
  • 基本的な診療科はそろっている

最後に
初期研修の2年間は短い期間ながらその後の医師人生が決まってしまうほど重要であると思われます。しかしながら、ベストな研修病院とは人それぞれ違うということ、そしてどんなに悩んで選んだ研修先でも他の病院より見劣りして見えてしまう瞬間があること(隣の芝生は青く見える)は避けがたいのもまた真実なのだと思います。それでも後悔をなるべく少なくするためには、しっかり悩んで自分で判断して決めることが大事だと思います(医師の仕事とは突き詰めれば「判断とその結果に対して責任をとること」ですから、研修先選びは医師としての最初の仕事かもしれませんね)。
本文が初期研修先を悩んでいる学生さんの一助になることを祈って。そして願わくは数年後の相澤病院研修医同窓会で盃をかわせることを願って。

備考
※ 選考基準(以下のa~eのうち、4つ以上を満たすものを適格とした)
a. 救急が充実(学生当時は将来の診療科は決まっていなかったので、まずは救急をちゃんと学ぼうと思った)
b. 住んだことがない土地(2年間限定で、知らない土地に行って後腐れなく帰ってこられるチャンスって、初期研修を除いてそうそうない)
c. 自然豊かな土地、それでいて田舎過ぎない (温泉好き、車のドライブ好き、飲み屋充実)
d. 給料が悪くない
e. 先輩研修医がいる、同期の研修医の数がほどほど(同期とより仲良くなれる)

※本原稿は2018年10月に取材