以前は、腎臓がんの手術は腎臓を全部摘出することが一般的でした。近年、比較的小さな腎臓がんに対して、がんの部分のみを摘除する腎部分切除術が行われるようになりました。

そうした中、相澤病院では、より患者さんにやさしい治療を目指して、2023年4月から、腎がんの腎部分切除手術にも「ダヴィンチ」の適用を開始しました。5月末時点ですでに3例を施行しています。

(※既に2022年10月から前立腺がん2023年3月からは胃がんの治療にも導入しています。)

腎部分切除手術のイメージ図

泌尿器科領域でダヴィンチによる手術を
執刀する道面医師

ダヴィンチとは?

米国製の手術支援ロボット。胸部や腹部の小さな切開部から直接鉗子を操作するのではなく、術者はサージョンコンソールと呼ばれるコクピットに座って、視野の広い3次元立体画像を見ながら、ロボットアームで鉗子を操作します。正確な手の動きの再現やロボット特有の360度回転、手ブレ防止などにより、従来の腹腔鏡下手術の弱点を克服し、よりスムーズで繊細な操作が可能で、これまで以上に低侵襲で正確な治療の実現を目指すことができます。

ロボット支援下手術の特徴

長所:
✔より細かく正確な操作が可能
✔開腹手術と比べて術中の出血、術後の痛みが少なく回復が早い
✔腹腔鏡手術に比べて術後の腎障害が軽減される
✔術後出血や腎臓周囲への尿漏出などの術後合併症を低減させる

短所:
✔ロボットアームを操作するため、触覚がない (視覚で補う必要があります)

※開腹手術と腹腔鏡手術の利点を合わせ持った術式がロボット支援腎部分切除術であるといえます。

※ 大腸がんや肺がん、といった様々な領域へと順次、拡大を計画しています。全ての患者さんの治療に適用されるわけではありません。ダヴィンチXiによる治療の適用に関しては、担当医にご相談ください。

泌尿器科